メンデルのエンドウ交雑実験 · PeaLab

写実的な修道院のエンドウ畑。7 対の対立形質が株の上に見え、自分の手で除雄・袋かけ・受粉・ラベルつけを行い、タイムラインで開花と結実を見て、収穫後は作業台でさやをむいて選別・計数し、カイ二乗検定で 3 : 1、検定交雑の 1 : 1、9 : 3 : 3 : 1 を確かめます。

教科:生物 · 対象:中学校、高校 · 学習内容:人工交配、分離の法則、独立の法則、仮説演繹法

章の内容

なぜエンドウなのか

1856〜1863 年の 8 年間、メンデルはこの修道院の畑でエンドウを育てました。エンドウは自家受粉する植物で、しかも閉花受粉です。花びらが開く前に花粉が自分の柱頭についてしまうため、自然の状態ではふつう純系です。エンドウには区別しやすい対立形質が多く、花も大きいので、人の手で除雄や受粉をしやすいのです。

6 つの畝には 6 つの純系が植えてあり、それぞれ茎の高さ、花の色、花のつく位置、さやの形と色が標準系統と異なります。右上のタイムラインをドラッグして、種まきから開花、結実、枯れるまでを見てみましょう。

人工交配

2 つの系統を交配するには、エンドウの自家受粉を防ぎ、別の株の花粉を柱頭に運ぶ必要があります。

除雄:つぼみの時期(葯がまだ熟していないうち)に花びらを開き、ピンセットで 10 本のおしべをすべて取り除きます。花が開いたらもう自家受粉しているので手遅れです。

袋かけ:虫がほかの花粉を運んでこないようにします。

1 日ほど待ち、めしべを成熟させます。

人工受粉:父親の熟した葯から筆で花粉をとり、母親の柱頭につけます。

もう一度袋をかけ、親と日付を書いたラベルをつけます。

Ⅰ の畝は丸い種子の系統(母親、いまはつぼみ)、Ⅱ の畝はしわの種子の系統(父親、1 週間早くまいたのでもう咲いています)です。

1 対の形質の交雑

前の季節に 2 組の交配をしておきました:Ⅰ の畝の丸 ♀ × Ⅱ の畝のしわ ♂、Ⅲ の畝の高い茎 ♀ × Ⅳ の畝の低い茎 ♂。

種子の形質は株の形質より 1 世代早く現れます。種子の中の胚がすでに次の世代だからです。交配したその季節、母親のさやの中にあるのが F₁ の種子で、すべて丸です。F₁ の株にできる種子が F₂ で、丸としわはおよそ 3 : 1 になります。茎の高さは種子をまいて株に育てないと見えないので、もう 1 季節かかります。

メンデルの説明:形質は遺伝因子によって決まり、体細胞の中で遺伝因子は対になっている。配偶子ができるとき、対になった遺伝因子は互いに分離して別々の配偶子に入る。受精のとき、雌雄の配偶子はランダムに結合する。

検定交雑:分離の確認

メンデルは演繹によって仮説を確かめました。F₁ が本当に異なる遺伝因子を 1 対(Rr)もち、R と r の配偶子を同数つくるなら、F₁ を劣性ホモ(rr)と交配した子は 丸 : しわ = 1 : 1 になるはずです。

Ⅰ の畝は F₁(丸)、Ⅱ の畝はしわの系統で、1 週間早くまいてあります。まず予想を書いてから実験しましょう。メンデルの検定交雑の結果は、丸 106 粒、しわ 101 粒でした。

2 対の形質の交雑

黄色・丸 ♀ × 緑色・しわ ♂(Ⅰ × Ⅱ、前の季節に交配済み)。F₁ はすべて黄色・丸です。F₁ を自家受粉させると、F₂ には黄色・丸、黄色・しわ、緑色・丸、緑色・しわの 4 つの表現型がおよそ 9 : 3 : 3 : 1 で現れます。緑色・丸と黄色・しわは、どちらの親にもない新しい組み合わせです。

1 対ずつ見れば、やはり 3 : 1 です。メンデルの説明:F₁ が配偶子をつくるとき、各対の遺伝因子は分離し、異なる対の遺伝因子は自由に組み合わさるので、YR、Yr、yR、yr の 4 種類の配偶子が同数できる。検定交雑で確かめると、F₁ × 緑色・しわ の子は 1 : 1 : 1 : 1 になるはずです。

7 対の形質の自由探究

畑はあなたのものです。各畝の右にある「種まき」をクリックすると、どの純系でも、収穫した種子でもまけます。タイムラインをドラッグして育てましょう。つぼみの時期に花をクリックすると人工受粉ができます。熟したら「収穫」をクリックし、作業台で選別して数えます。

やってみよう:紫花 × 白花の F₁ の種皮は何色? さやの形と色を決めるのは母親か、種子か? 株の 2 対の形質(茎の高さと花の位置など)でも F₂ は 9 : 3 : 3 : 1 になる?

仮説演繹法

メンデルの研究の流れをふり返ります。

観察と問い:F₁ は優性形質だけを示し、F₂ では劣性形質が再び現れ、その比が 3 : 1 に近い。なぜか?

仮説を立てる:形質は遺伝因子で決まる。体細胞では遺伝因子は対になっている。配偶子ができるとき対の遺伝因子は分離し、配偶子は各対のうち 1 つだけをもつ。受精のとき雌雄の配偶子はランダムに結合する。

演繹する:仮説が正しければ、F₁ × 劣性ホモ → 1 : 1。

実験で確かめる:検定交雑で 1 : 1 が得られた。

結論:分離の法則。2 対の形質についても同様に考えて独立の法則。

1909 年、ヨハンセンは「遺伝因子」を遺伝子と呼びかえました。現在では、R/r 遺伝子がデンプン分枝酵素をコードすることがわかっています。rr の種子はデンプンが少なくショ糖が多いため、乾くとしわになります。

ほかの実験

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