液体の圧力と浮力 · FloatLab
本物の港と海の中で液体の圧力と浮力を学びます。潜水調査船はマリアナ海溝まで潜り、閘門は貨物船を 3 m 上げ下げし、クレーンはコンクリートブロックを海に下ろして浮力を量り、潜水艦はバラストタンクで浮き沈みし、コンテナ船は積むほど深く沈んで満載喫水線に達します。海面はリアルタイムの波で、波に揺られる船の姿勢は浮力から点ごとに計算しています。
章の内容
液体の圧力と深さ
有人潜水調査船が海面からマリアナ海溝の底まで潜っていきます。下の深さボタンを押して、潜航・浮上させてください。
海水の重さが下の水を押すので、深いほど圧力は大きくなります:p = ρgh。圧力は液体の密度 ρと深さ hだけで決まり、水面の広さや容器の形には関係しません。海水では 10 m 潜るごとに約 1 気圧ずつ増えます。
潜水船の外には発泡スチロールのカップが吊るしてあり、潜るにつれて押しつぶされて小さくなります。水の色にも注目しましょう。赤い光は最初に吸収され、数十 m より深いと青緑色だけが残り、数百 m より深いと真っ暗になって、潜水船自身のライトだけが頼りです。
連通管:閘門
港(海)の水面は川より 3 m 低いので、船は閘門を通って川に入ります。閘室と上流側・下流側はそれぞれ通水路でつながり、バルブで開け閉めします。
上が開いていて下でつながった容器を連通管といいます。同じ液体を入れて静止させると、各部分の液面は必ず同じ高さになります。下流側のバルブを開けると閘室と港が連通管になり、閘室の水が流れ出て両側の水面がそろったところで、ようやく下流側の扉を開けて船を入れられます。扉とバルブを閉め、上流側のバルブを開けると閘室と川がつながり、水位が川と同じ高さまで上がって船が「持ち上げ」られます。
順番に操作してみましょう。両側の水位が違うと扉は開きません。扉の両面にかかる水の力が釣り合わず、その差は数百トンにもなります。
浮力が生じるわけ
立方体のコンクリートケーソンが海水中にあり、海水はあらゆる向きからこれを押しています。左右・前後の側面は同じ深さにあるので、力の大きさが等しく向きが反対で、打ち消し合います。
上面は下向きに押され、上面より深い下面はより強く上向きに押されます。その差が浮力です:
F浮 = F下 − F上 = ρg(h + a)a² − ρgha² = ρgV
ケーソンを深く沈めると上面・下面の力はどちらも大きくなりますが、差は変わりません。全体が沈めば浮力は深さに関係しません。底面を「海底の泥に沈み込む」にすると、下から押し上げる水がないので下向きの力だけが残り、ケーソンは海底に押さえつけられます(橋脚にも浮力ははたらきません)。
重さを量って浮力を求める
岸壁のクレーンには電子クレーンスケールが下がっていて、その下にコンクリートブロックが吊るしてあります。空中では、スケールの値がブロックの重さ G です。スケールを下にドラッグしてブロックをゆっくり海に入れると、値 F が小さくなります。水が上向きに押し上げていて、この力が浮力です:
F浮 = G − F
右のグラフは、ブロックが水に入った深さと浮力の関係です。深く入るほど押しのける水が増え、浮力は大きくなります。全体が沈んだあとは、さらに下げても浮力は変わりません。
同じ大きさの鋼のブロックにかえてみましょう。ずっと重いのに、浮力はコンクリートブロックと同じです。浮力は押しのけた液体の体積だけで決まり、物体の重さや材質には関係しません。2 m³ のコンクリートブロックにすると浮力は 2 倍になります。
アルキメデスの原理
岸壁には真水を満たした試験水槽があり、水面はちょうどあふれ口の高さです。クレーンでブロックを水槽に入れると、ブロックが押しのけた水があふれ口から隣の受け水槽に流れ込み、受け水槽は台はかりで量ります。
2 つの値を比べます。クレーンスケールの値がどれだけ減ったか(浮力 F浮)と、流れ出た水の重さ(G排)です。ブロックをいろいろな深さに下げて記録すると、両者はいつも等しくなります:
F浮 = G排 = ρ液 g V排
これがアルキメデスの原理です。液体中の物体は上向きの浮力を受け、その大きさは物体が押しのけた液体の重さに等しい。アルキメデスは湯船から水があふれるのを見て、押しのけた水で王冠の体積を測る方法を思いついたと伝えられています。
浮き沈みの条件:潜水艦
潜水艦の形と体積は変わらないので、浮力もほとんど変わりません。バラストタンクに水を入れたり出したりして自分の重さを変え、浮き沈みします:
G < F浮:浮上し、最後は水面に浮かぶ(一部が水面から出て F浮 = G)。G = F浮:どの深さでも静止(中性浮力)。G > F浮:沈下し、最後は海底に沈みます。
密度で比べることもできます。潜水艦の平均密度が海水より小さければ浮上し、等しければ静止し、大きければ沈みます。
「海水の密度躍層」をオンにすると、60 m より下で海水の密度が急に小さくなり、浮力も小さくなって、静止していた潜水艦が急に沈み込みます。これを「海中の断崖」といいます。2014 年、中国の潜水艦 372 号がこれに遭遇し、乗員はタンクに空気を吹き込んで排水し、3 分以内に危機を脱しました。沈み始めたら「緊急ブロー」を押してみましょう。
船と満載喫水線
鋼鉄の密度は水の 8 倍ですが、鋼板でつくった船は浮きます。中空にすると押しのける水が増え、浮力が大きくなるからです。浮いている船では F浮 = G船 なので、押しのけた水の質量は船と貨物の総質量に等しく、これを排水量といいます。
岸壁クレーンがコンテナを積むにつれて船は重くなり、どんどん深く沈みます。船首・船尾の喫水標と船体中央の満載喫水線標を見ましょう。満載喫水線は、水域や季節ごとにどこまで積めるかを示します。S 夏季海水、W 冬季、T 熱帯、F 夏季淡水、TF 熱帯淡水。線を越えたら過積載で出港できません。
同じ船が海から川(真水)に入ると、密度が小さいので同じ重さを支えるにはより多くの水を押しのける必要があり、十数 cm 沈みます。だから F の線は S の線より上にあります。貨物を片寄せて積むと、船は片側に傾きます。
比重計と喫水検量
比重計(浮きばかり)は下端に鉛の粒を入れたガラス管で、どんな液体に入れても浮かび、浮力は自分の重さに等しく一定です。液体の密度が大きいほど押しのける体積は小さくてすみ、高く浮きます。だから目盛りは上が小さく下が大きく、しかも上ほど間隔が広く、均等ではありません。港の検査員はこれで岸壁の海水の密度を測ります。
喫水検量:ばら積み貨物やコンテナは、はかりに載せません。船首・船体中央・船尾の両舷、合わせて 6 か所の喫水を読み、平均喫水を求めて船の排水量表を引き、海水の密度をかけ、空船と燃料などの質量を引けば貨物の質量になります。
これは曹沖が象の重さを量った話と同じ考え方です。象を船に乗せて船べりに水の跡を刻み、次に石を積んで同じ跡まで沈めます。押しのけた水は同じなので、石の重さの合計が象の重さに等しくなります。
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