原子軌道 · 電子雲
原子軌道の3Dデモ:電子雲を1点ずつ「露光」し、s/p/d/f 軌道の形と位相、動径分布と節面、構成原理に従って電子を1つずつ入れ、原子番号 1–36 の元素の電子配置と量子数を示します。
章の内容
電子雲
電子の位置と速度を同時に決めることはできず、言えるのは、電子がある場所に現れる確率がどれほどか、ということです。
舞台上の点は、それぞれ一回の「測定」で記録された電子の位置です。記録が増えるほど、点の粗密が確率密度 |ψ|² をよりはっきり示します。これが電子雲。
です。点が密なところは電子の現れる確率が大きく、そこに電子がたくさんあるわけではありません。
軌道の形
電子の現れる確率が 90% の領域を囲むと、得られる曲面がふつう言うところの原子軌道の形。
s 軌道は球形で、p 軌道は亜鈴形で、x、y、z の三方向に一つずつあり、d 軌道は多くが四つ葉の花びら形で、全部で 5 個あります。
暖色と寒色は、波動関数 ψ の正と負の位相を表し、電荷ではありません。位相が、原子どうしが結合できるかを決めます。光る殻の一層一層は等確率面で、内側ほど電子の現れる確率密度が大きくなります。
動径分布と節面
動径分布関数 P(r) = r²R²は、電子が半径 r の薄い球殻の中に現れる確率を表します。
1s のピークはちょうど r = a₀(ボーア半径)にあります。2s、3s ではピークのあいだに確率がゼロの球面が現れ、これを動径節面と呼び、全部で n − l − 1 個あります。
断面図の暗い色の環が動径節面、暗い直線が角節面です。
エネルギー準位と構成原理
多電子原子では、電子は次の規則に従って軌道へ一つずつ入ります。
エネルギー最低の原理:まずエネルギーの低い準位を埋めます。注意:4s は 3d より先に埋まります。
パウリの原理:一つの軌道には電子が最大 2 個まで入り、スピンは逆向きです。
フントの規則:同じ準位のいくつかの軌道では、電子はまず別々の軌道に入り、スピンは平行です。
電子配置
周期表の元素をクリックすると、電子配置と軌道の図が分かります。舞台に表示されるのは価電子の電子雲です。青が s、橙が p、紫が d です。
量子数
三つの量子数が一つの原子軌道を定めます。
n 主量子数は、電子殻と大きさを決め、l 方位量子数(0 ≤ l ≤ n − 1)は形を決め、m 磁気量子数(−l ≤ m ≤ l)は空間の向きを決めます。
節面の総数 = n − 1。そのうち角節面が l 個、動径節面が n − l − 1 個です。
軌道ライブラリ
1s から 4f までの原子軌道、全部で 30 個です。ドラッグで回転、ホイールで拡大縮小します。